エクステリアさくらで、皆様のささやかなお手伝いをしております、木村(仮名)でございます。
秋晴れの日が、本当に心地よい季節でございますね。 事務所の窓から見える空も高く、どこまでも澄み渡っております。
昨日は、ブログ担当の佐藤(仮名)さんが、パンジーやチューリップなど、秋に植えるお花について、とても楽しそうにお話ししておりました。 「幸せのタイムカプセル」とは、なんと素敵な表現でしょう、と、わたくしも、心がふわりと温かくなりました。
そして、ちょうど今朝のことでございます。 事務所のドアが開き、泥んこになった長靴を履いた、小さな男の子と、そのご両親が、にこやかに立っていらっしゃいました。
「すみません、今、庭の土いじりをしてきたところで、こんな格好で…」 そう恐縮される奥様の隣で、男の子は、自分の両手を、わたくしに誇らしそうに見せてくれました。 その小さな手は、泥だらけで、爪の間まで真っ黒。 しかし、そのお顔は、何か偉大な仕事をやり遂げたかのように、自信に満ち溢れておりました。
「昨日、ブログを見て、息子が『チューリップ、植えたい!』って言い出しましてね。一緒に植えてみたんです」
ご主人様が、そう教えてくださいました。 お話をお伺いすると、そのご家族は、この春、わたくしどもでエクステリア工事をさせていただいたお客様でした。 職人の鈴木(仮名)が「お子様が裸足で走れるように」と、心を込めて土壌改良(どじょうかいりょう)をした、柔らかな土のスペース。 そこで、ご家族三人、泥だらけになりながら、来年の春のための球根を、一つひとつ、植えられたのだそうでございます。
「僕が、赤いチューリップの隊長なんだ!」 男の子が、そう元気に教えてくれました。
奥様は、こうもおっしゃっていました。 「普段、仕事に追われて、こんな風に、親子で土まみれになって、ゆっくり過ごす時間なんて、ありませんでした。 あの子が、あんなに夢中になって、土の中の虫を探したり、お水をあげたりする姿を見て、わたくしたち親の方が、何か大切なことを、教えてもらったような気がいたします」
わたくしは、そのお話をお伺いしながら、深く、深く、感動しておりました。
わたくしたちが、ここ所沢の地で手掛けるエクステリア工事とは、ただお庭を美しく整えることだけではないのだ、と。 職人の鈴木が魂を込めて耕した「土」は、ただの花壇ではなく、ご家族が、日常の喧騒を忘れて、共に笑い、共に何かを育むための、「かけがえのない時間」の舞台となっていたのです。
お庭の土に触れることは、お子様の五感を育て、命の大切さを教え、そして何より、ご家族の絆を、そっと深めてくれるのかもしれません。
皆様のお庭も、今、ご家族のどんな物語を、静かに育んでおりますでしょうか。 その小さな、しかし、何物にも代えがたい「宝物の時間」のお手伝いをできることが、わたくしたちの、何よりの誇りでございます。


