見た目だけで選んでんじゃねぇか?-10年後も愛せる庭は、地面が9割だ。-

エクステリアさくらの職人をやっている、鈴木(仮名)だ。

最近のカタログやインターネットは、そりゃあきれいな写真ばっかりだよな。キラキラしたタイルデッキ、温かみのあるウッドデッキ、おしゃれな石畳のアプローチ…。どれも良く見えて、夢が広がるだろう。

だが、待てよ、と。 そのキラキラした見た目の裏にある、素材それぞれの「本当の顔」を、あんたは知っているのか?

地面ってのはな、庭の一番広い面積を占める、いわば暮らしの「土台」だ。この土台選びを間違えると、「夏は熱くて庭に出られない」「雨の日に滑って危ない」「数年でデコボコになった」なんて、後悔することになる。

今日は、見た目のきれいさだけじゃ語れねぇ、それぞれの地面の素材の“クセ”や“付き合い方”について、長年そいつらと向き合ってきた俺の経験から、正直に話してやろうと思う。


1.タイル - "おしゃれだが、プライドが高いお嬢様"

こいつは、見た目の美しさと高級感はピカイチだ。汚れてもサッと水で流せるし、雑草も生えない。まさに、いつも綺麗にしていないと気が済まない、おしゃれなお嬢様って感じだな。

だが、プライドが高いから、付き合いにはコツがいる。 夏のカンカン照りの日差しを浴びると、素足じゃとても歩けないくらい熱くなることがある。それに、雨に濡れるとツルッと滑りやすいやつもいるから、表面がザラザラした仕上げの、滑りにくいタイプを選んでやらねぇと、子どもや年寄りがいる家ではちと危ねぇ。見た目の美しさの裏にある、そういう顔も知っておく必要がある。


2.天然石(自然石) - "無骨だが、飽きがこないオヤジ"

一つとして同じ形、同じ色のやつはいない。まさに、自然が生んだ芸術品だ。特に、いろんな形の石をパズルのように組み合わせる「乱形石」ってのは、職人としての腕が鳴る仕事だぜ。

何十年経っても、飽きがこねぇ。 時間と共に少し苔が生えたり、色が深くなったりして、それがまたいい「味」になる。まるで、無口だけど、人生の深みを感じさせる渋いオヤジみたいなやつだな。

ただ、その分、値段は少し張る。それに、自然のままの形だから表面がデコボコしてる。テーブルや椅子を置きたいなら、その下の地面(下地)を、俺たちがミリ単位で調整して、きっちり平らにしてやらねぇとガタつくからな。そういう繊細さもいるんだ。


3.コンクリート(スタンプ・洗い出し) - "何にでも化ける、器用な役者"

コンクリートと聞くと、灰色の無機質な駐車場を思い浮かべるかもしれねぇが、こいつはとんだ役者だ。 「スタンプコンクリート」っていう技を使えば、石畳風にも、レンガ風にも、木の板を並べたようにも化けられる。また、「洗い出し」っていう技なら、表面にきれいな砂利の顔をのぞかせることができる。

頑丈で、手入れも楽。コストも他に比べりゃ安い。 まさに、どんな役でもこなす器用な役者だ。

ただし、一度固まっちまうと、やり直しはきかねぇ。それに、どんなに頑丈に作っても、長い年月の間には、髪の毛みてぇな細かいひびが入ることもある。それを「味」だと思って、長く付き合っていけるか。そこがあんたとの相性だな。


4.人工芝 - "いつも笑顔の、手のかからない優等生"

こいつは、いつも青々としていて、こっちの気分まで明るくしてくれる。水やりも、草むしりもいらねぇ。裸足で駆け回っても、泥だらけにならねぇ。まさに、いつもニコニコしてて、手のかからない優等生だ。

だが、優等生だからこそ、最初の環境づくりが肝心だ。 下に敷く「防草シート」や、水はけを良くするための「下地作り」を俺たちがきっちりやっておかないと、数年で表面がデコボコになったり、水たまりができたりして、せっかくの笑顔が台無しになる。質の悪い芝だと、すぐにペッタンコになって、見るも無残な姿になることもあるから、そこは見極めが必要だ。


どうだったかな。 どの素材にも、良いところと、少し気難しいところがあるんだ。

一番大事なのは、あんたや家族が、その庭で何をしたいかだ。 BBQがしたいのか、子どもを走り回らせたいのか、静かに庭を眺めたいのか。その暮らし方に合わせて、地面を選んでやるんだ。

見た目だけで決めると、10年後、その庭は「なんだか使いにくい場所」になっちまう。 そうならねぇように、俺たちプロがいる。迷ったら、いつでも正直に聞きにこいよ。あんたの暮らしに、本当に合う地面を、一緒に見つけてやるからよ。

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