エクステリアさくらの職人をやっている、鈴木(仮名)だ。
10月も、もうすぐ終わりだな。 街中、オレンジだの紫だの、やけに浮かれた色になってやがる。 事務所じゃ、佐藤(仮名)のやつが「飾り付け♪」だの、木村(仮名)さんが「思い出♪」だの、楽しそうに話してやがる。 ああ、いいだろう。家族でイベントを楽しむってのは、結構なことだ。
だがな、浮かれてる時ってのは、一番、足元が見えなくなってる時だ。 お前さん、その飾り付け、本当に「安全」か? あんたの家の庭を、火事や怪我の現場にするつもりじゃねぇだろうな。
その壱:「火」を、甘く見るな。
一番、言いてぇのは、これだ。 お前さん、くり抜いたカボチャ(ジャック・オー・ランタンとか言うらしいな)の中に、本物のロウソク、灯すつもりじゃねぇか? やめとけ。悪いことは言わねぇ。
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風で倒れたら、どうする? 秋の風は、お前さんが思ってるより、いきなり強く吹く。ロウソクが倒れて、近くに飾ってある、あの綿みてぇなクモの巣や、乾いた落ち葉、ガーランドの紙に火が燃え移ったら、どうなる?
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「デッキの上」なんぞ、もってのほかだ。 ウッドデッキの上で、火を使うなんざ、論外だ。 「ロウソクが倒れなきゃいい」じゃねぇ。ロウソクの熱で、デッキの塗装が溶けたり、焦げたりすることだってあるんだ。 悪いことは言わねぇ。今は、**電池で光る「LEDのキャンドル」**って、便利なもんがいくらでもあんだろ。あれを使え。見た目なんざ、変わりゃしねぇよ。
その弐:「電気」を、なめるな。
「火がダメなら、イルミネーション(電飾)ならいいだろ」 ああ、それ自体はいい。だがな、その使い方だ。
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そのコード、「外用」か? 家の中で使ってる延長コードや、クリスマスの電飾を、そのまま外に持ってきてねぇか? 「屋外用」って書いてねぇコードはな、雨や夜露で、簡単にショートして、火事になるぞ。秋の長雨を、なめるなよ。
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タコ足配線は、燃える"火種"だ。 一つのコンセントから、カボチャのライトだの、光るオバケだの、何本も、何本も、タコ足で繋いでやしねぇか? 特に、家の中から、窓の隙間を無理やり通して、外に電気を持ってきてる奴。 そこは、火事を起こしてくださいって言ってるようなもんだ。 俺たちプロが、ここ所沢でエクステリア工事をやる時、口を酸っぱくして**「屋外コンセント」**を勧めるのは、こういう時の「安全」のためなんだよ。
その参:「暗闇」が、一番の"オバケ"だ。
ハロウィンの夜は、暗い方が、雰囲気が出る? ふざけるな。 暗闇はな、あんたの家のガキや、遊びに来た近所のガキが、**怪我をするための一番の"ワナ"**だ。
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アプローチ(小道)に、ゴテゴテと飾りを置きすぎて、足の踏み場がなくなってねぇか?
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庭の段差が、暗闇で見えなくなってねぇか?
俺たちが、なんで、普段からアプローチに**「足元灯(フットライト)」**を仕込んでおくか。 それは、こういう、浮かれたイベントの日でも、あんたの家の敷地に入った人間が、絶対に、転んだり、怪我したりしねぇようにするためだ。
いいか。 イベントってのは、「楽しかったね」で終わって、初めて「成功」なんだ。 「危なかったね」だの、「火事になっちまった」だの、そんなのは、最低の思い出だ。
俺たちプロの仕事ってのはな、あんたたちが、そんな最低の思い出を作らねぇように、「安全」っていう、一番、面白くもねぇ土台を、見えねぇ場所で、完璧に作っておくことなんだ。
浮かれるのは、結構だ。 だが、その前に、足元と、火の元と、電気の元を、もう一度、しっかり確認しろ。 それが、家を持ってる大人の、責任ってもんだ。わかったな?




