はじめまして。 エクステリアさくらの事務所で、ささやかながら皆様のお手伝いをしております、木村と申します。
わたくしは、プランナーのように美しい図面を描くことも、職人のように力強くハンマーを握ることもございません。主な仕事は、事務所でお客様にお茶をお出ししたり、お電話の向こうのお声をうかがったり、時には完成したお庭の写真を撮りに伺ったり…。
いわば、エクステリアさくらという舞台の、ほんの少し袖の方から、お客様と仲間たちの姿をそっと見つめているような、そんな役割でございます。
けれど、そんなささやかな毎日の中にこそ、わたくしたちが本当に大切にしている「心」が、キラリと光る瞬間がたくさん隠れているのです。
今日は、そんなわたくしの立ち位置だからこそ見つけられた、心に残る「宝物」のような日常の風景を、少しだけお聞かせしてもよろしいでしょうか。
風景その壱:打ち合わせスペースから聞こえてくる、楽しそうな「おしゃべり」。
エクステリアさくらの打ち合わせスペースからは、よく、楽しそうな笑い声が聞こえてまいります。 プランナーの高橋が、お客様と向かい合っている時間です。
先日も、新しいお庭のご相談でいらっしゃった若いご夫婦がいらっしゃいました。 お茶をお出ししにそっと近づくと、聞こえてきたのは、仕様や寸法のお話ではありませんでした。
「ご主人の趣味のバイク、ここに置けたら素敵ですねぇ」 「このスペースなら、娘さんがお友達とシャボン玉をしても、道路まで飛び出さなくて安心ですよ」
お二人の暮らしの物語に、高橋が熱心に耳を傾け、時にお客様以上に目を輝かせている。そんな温かい時間が、そこには流れておりました。
わたくしたちの打ち合わせは、ただのご要望をお聞きする時間ではないのです。お客様の言葉にならない「夢」の輪郭を、おしゃべりという絵の具で、一緒に描いていく大切なひととき。 だから、聞こえてくる笑い声の数が多いほど、きっと最高のプランが生まれる、そんな幸せな予感がするのです。
風景その弐:夕暮れ、泥だらけで帰ってくる、誇らしげな「背中」。
夕方になり、職人たちが現場から事務所へと帰ってきます。 中でも、この道何十年の職人、鈴木さんの帰ってくる姿を、わたくしはとても好ましく拝見しております。
夏は汗まみれ、冬は土埃にまみれて、作業着はいつも泥だらけ。 「お疲れ様です」とお声がけすると、「おう」と短く返すだけ。決して口数が多い人ではございません。
けれど、その少し疲れた背中が、なによりも雄弁にその日の仕事ぶりを物語っているのです。 駐車場に寸分の狂いもなく引かれたライン、ウッドデッキの見えない裏側まで丁寧に施された補強、お客様が躓かぬよう角を丸めたレンガのひとかけら…。
お客様の「10年後の安心」のために、決して手を抜かない。 彼の泥だらけの作業着は、誠実な仕事の証であり、わたくしたちの誇りそのもの。 だから、その背中を見ると、わたくしはいつも心の中で「ありがとうございます」と、そっと頭を下げるのでございます。
風景その参:工事が終わった後にかかってきた、一本の「お電話」。
わたくしが一番、胸が熱くなる瞬間。 それは、工事がすべて終わって、しばらく経った頃にお客様からいただく、一本のお電話です。
先日も、ある奥様からお電話をいただきました。 受話器を取ると、少し弾んだ、明るいお声がしました。
「木村さん? あのね、先週完成したウッドデッキのことなんだけど」 一瞬、何か不具合でもあったのかしら、とドキッといたしました。すると、奥様はこう続けられたのです。
「この間の日曜日、初めてあそこで子どもたちとご飯を食べたの。あの子たちの嬉しそうな顔ったら! 本当に、さくらさんにお願いして良かったって、主人と話していて…。ただ、ありがとうが、言いたくて」
受話器を置いた後、しばらく胸がいっぱいで、動けませんでした。 わたくしたちが本当にいただいているのは、工事の代金だけではないのです。お客様の暮らしの中に生まれた、新しい笑顔や、温かい時間。そのひとかけらを「ありがとう」という言葉で分けていただけること。
それこそが、わたくしたち全員にとって、何物にも代えがたい最高の宝物なのですよ。
プランナーのように、職人のように、表舞台に立つことはございませんが、わたくしはこれからも、この場所で、お客様の笑顔と、仲間たちのひたむきな頑張りを、一番近くで見守り続けていきたい、と心から思っております。
もし、エクステリアさくらの事務所の扉を開けて、お茶をお持ちする者がおりましたら、それは、わたくしかもしれません。 その時はぜひ、あなた様の暮らしの物語も、少しだけお聞かせくださいね。
あなた様にお会いできる日を、楽しみにお待ちしております。