エクステリアさくらで、皆様のささやかなお手伝いをしております、木村(仮名)でございます。
秋の穏やかな光が心地よい、三連休の最中。 明日は、昼と夜の長さが同じになる「秋分の日」、そして、ご先祖様に感謝を伝える「お彼岸」の中日でございますね。 お墓参りに出かけられたり、ご家族やご親戚が集まったりと、皆様それぞれに、静かで、大切な時間を過ごされていることと存じます。
お墓をきれいにし、ご先祖様の元を訪れるこの季節。 わたくしは、時々、ふと考えることがございます。 もしかしたら、ご先祖様もまた、このお彼岸の時期には、懐かしい我が家へと、そっと里帰りをされているのではないかしら、と。
そう思うと、私たちが日々暮らすこの「家」の佇まいを、いつも以上に、清らかに、そして温かく整えておきたい、という気持ちになるのでございます。
清められた、門とアプローチ
ご家族やお客様、そして、もしかしたらご先祖様も。 皆様を一番最初にお迎えするのは、お家の顔である「門」と、玄関まで続く「アプローチ」でございます。
この連休、もしお時間に少しだけ余裕がございましたら、玄関までの小道を、掃き清めてみてはいかがでしょうか。 夏の間に積もった落ち葉や土埃を、竹ぼうきで、さっ、さっ、と掃いていく。 ただそれだけで、空間の空気が、まるで神社仏閣の参道のように、清々しく、凛としたものに変わっていくのを感じられるはずです。
そして、ご家族の名前が刻まれた「表札」や、皆様を繋ぐ「ポスト」を、固く絞った布で、そっと拭き上げてあげる。 それは、日頃の感謝を伝える、ささやかな儀式のようでもございます。
季節の草花を、そっと飾る
お彼岸といえば、燃えるような赤色の彼岸花(曼珠沙華)を思い浮かべる方も多いかもしれません。 ですが、玄関先に、そっと秋の彩りを添えるなら、可憐な**秋桜(コスモス)や、上品な菊(キク)**の鉢植えも、とても素敵でございます。
華美である必要はございません。 たった一鉢、季節の草花がそこにあるだけで、訪れる人の心を和ませ、「ようこそお帰りなさい」という、言葉にならない歓迎の気持ちを、そっと伝えてくれるような気がいたします。
整えられた、静かなお庭
夏の間に伸び放題になってしまった庭木の枝を、少しだけ整えて、風の通り道を作ってあげる。 ウッドデッキの上に置いたままになっていた、夏の遊び道具を、そっと片付ける。
完璧に手入れされたお庭でなくとも、そこに住まう人の「気遣い」が感じられる、整えられた空間。 そんな清々しいお庭の木陰にあるベンチに腰掛けて、目を閉じれば、今はもう会うことのできない、大切な誰かの気配を、すぐそばに感じられるかもしれません。
お彼岸という時間は、ただご先祖様を供養するだけでなく、今、私たちがここにいることの「ありがたさ」を、改めてかみしめるための、大切な時間なのだと存じます。
わたくしたちの仕事は、そんな、ご家族の大切な伝統や、静かな祈りの時間の「舞台」となる、美しく、そして心安らぐ場所を、誠心誠意、創り上げていくこと。
この秋のお彼岸が、皆様と、皆様の大切な方々にとって、穏やかで、心豊かな時となりますように。 わたくしは、事務所の片隅から、静かにお祈りしております。