ただ枝を切ってるだけじゃねぇ。-職人が語る、庭木の"健康診断"としての剪定の話-

エクステリアさくらの職人をやっている、鈴木(仮名)だ。

夏の間に、太陽の光を浴びて、好き放題に伸びやがった庭の木の枝も、秋風が吹き始めると、なんだか少し寒そうに見えてくるもんだな。

「庭の木が、ボサボサで見栄えが悪くなってきたから、切っちまおう」 そんな軽い気持ちで、ノコギリや剪定バサミを握ろうとしている奴はいねぇか?

待てよ、と。 あんたがやろうとしているのは、ただの「枝切り」かもしれねぇが、俺たちがやっている**「剪定(せんてい)」**ってのはな、そんなに単純な話じゃねぇんだ。

今日は、俺たちが、庭の木一本一本と、どんな「対話」をしながらハサミを入れているか、その仕事の裏側を、少しだけ見せてやる。


なぜ、木を切るのか?それは、木を「生かす」ためだ。

そもそも、なぜ剪定が必要なのか。理由は、大きく分けて三つある。 どれも、その木が、もっと元気に、もっと美しく、もっと安全に、あんたの家族と長く暮らしていくために、必要なことなんだ。

  • ① 健康のためだ。(風と光の“道”をつくる) 枝や葉っぱが込み合いすぎると、どうなる? 風通しが悪くなって、中の方がジメジメして、病気になったり、嫌な虫のすみかになったりする。それに、奥の方の葉っぱまで太陽の光が届かなくなって、木全体がだんだん弱っちまう。 俺たちは、不要な枝や、重なり合った枝を丁寧に見極めて切り落とし、木の中に、気持ちのいい**「風と光の道」**を作ってやっているんだ。これは、木の健康診断であり、治療でもあるんだよ。

  • ② 安全のためだ。(危険の“芽”を摘み取る) 枯れて、茶色くなった枝。台風で折れかかって、ぶら下がっている枝。変な方向にぐんぐん伸びて、隣の家の屋根や、電線に引っかかりそうな枝。 そいつらを放っておくと、いつ、何かの拍子に折れて、下にいる人や、止めてある車、あんたの家そのものを傷つけるかわからねぇ。 そうなる前に、危険の芽を摘み取っておく。これも、あんたたちの暮らしを守る、俺たちの大事な仕事だ。

  • ③ 未来のためだ。(最高の“姿”に導いてやる) 木にはな、それぞれ一番美しく見える「骨格」ってもんがあるんだ。 俺たちは、その木の骨格を見極めて、数年後、この木がどんな姿に成長するかを想像しながら、「お前は、こっちに伸びた方が、もっとカッコよくなるぞ」って、導くように、余分な枝を切ってやる。 ただやみくもに小さく丸く刈り込むんじゃねぇ。その木の、最高の未来をデザインしてやってるんだ。


剪定ってのはな、ただの枝切りじゃねぇ。 その木の過去の成長を読み解き、現在の健康状態を診断し、そして、未来の最高の姿を想像してやる、**木との真剣な「対話」**なんだよ。

あんたの家の庭にある、一本のシンボルツリー。 それは、お子さんの成長を見守り、家族の歴史をずっと見てきた、大事な仲間だろうが。 その仲間が、「なんだか最近、息苦しいんだよ」って、声なき声でサインを出していたら、気づいてやってくれ。

どうすりゃいいか分からなくなったら、無理に自分でノコギリを握るなよ。 下手に切ると、木を枯らしちまうことだってある。

そんな時は、俺たちプロを呼べ。 あんたの大事な仲間の声、俺たちが代わりにしっかり聞いて、日本一の男前にしてやるからよ。

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