その壁は、家族の個性を語ります。-プランナーが魅せられた、"塗り壁"というアートの世界-

エクステリアさくらで、お客様の暮らしをデザインさせていただいております、高橋(仮名)でございます。

秋の柔らかな陽射しは、物の影を長く、そして優しく描き出し、その質感を、ことのほか美しく見せてくれるように感じます。

わたくしが、お客様と外構プランのお話をする中で、特に心がときめく瞬間の一つが、「塗り壁」のデザインを、お客様とご一緒に考えている時でございます。 どの色にいたしましょうか、どんな模様を描きましょうか、と。

それは、単に壁の材料を選ぶという作業ではございません。 職人の手仕事によって、世界でたった一つの表情を生み出す、まるで一枚のアート作品を創り上げるような、とても創造的で、心温まる時間なのです。


その壱:無限の表情を生み出す「仕上げ模様(テクスチャー)」という魔法

塗り壁の最大の魅力は、わたくしどもの職人、鈴木(仮名)のような者が使う「コテ」一つで、無限の表情が生まれることでございます。同じ材料を使っても、決して同じものは二つとできない。その手仕事ならではの「ゆらぎ」が、塗り壁に温もりと生命感を与えてくれます。

例えば、こんな模様がございます。

  • 扇(おうぎ)仕上げ コテを、扇を描くように、リズミカルに動かして仕上げる模様です。優雅で柔らかな曲線が重なり合い、洋風のお住まいに、華やかさと優しい表情を添えてくれます。

  • 櫛引(くしびき)仕上げ その名の通り、櫛で引いたような、シャープで直線的な模様です。光の当たり方で、繊細な陰影が生まれ、モダンでスタイリッシュな印象を創り出します。

  • スパニッシュ仕上げ コテの跡を、あえて少しラフに残す、素朴で温かみのある仕上げです。その不揃いな質感が、まるで南欧の風を感じるような、手仕事の温もりを伝えてくれます。


その弐:「異素材」との組み合わせが、個性をさらに輝かせる

真っ白なキャンバスのような塗り壁は、他の素材と組み合わせることで、その魅力がさらに引き立ち、ご家族だけの個性を表現することができます。

  • 小さな「タイル」を、宝石のように 壁の一部に、お客様のお好きな色の小さなモザイクタイルや、思い出の地の風景を思わせるようなテラコッタタイルを、アクセントとして貼り込む。それだけで、壁全体がぐっと引き締まり、物語が生まれます。

  • 光を通す「ガラスブロック」を、窓のように 壁にガラスブロックを数個埋め込むと、壁の向こう側からの光を、柔らかく取り込んでくれます。玄関アプローチの壁に設ければ、リビングの灯りが漏れて、夜、帰ってくるご家族を、優しい光で迎えてくれることでしょう。

  • エレガントな「アイアン飾り」を、サインのように ロートアイアンの美しい曲線で描かれた表札や、ツタをモチーフにした飾りを取り付けると、エレガントでクラシカルな雰囲気を演出できます。


その参:美しさを、長く保つための、プロの「小さな知恵」

「塗り壁は、雨だれの汚れが心配で…」 そんなお声を、時々お聞きすることがございます。確かに、それは塗り壁の宿命ともいえる部分。だからこそ、わたくしたちプロは、デザインの段階から、美しさを長く保つための「小さな知恵」を、そっと忍ばせておくのでございます。

例えば、壁の一番上の部分に、「笠木(かさぎ)」という小さな屋根のような部材を乗せて、壁を伝う雨水を減らしてあげること。 例えば、雨の力で汚れを洗い流してくれる、非常に高機能な「超低汚染塗料」を、最初から選んでおくこと。 こうした見えない部分への配慮が、10年後の「美しさ」を左右するのです。


一枚の塗り壁は、単なる「壁」ではございません。 それは、ご家族の個性を映し出し、職人の誠実な想いが込められた、世界でたった一つのアート作品なのです。 工業製品のような均一さはありませんが、その手仕事ならではの温もりこそが、時間と共に、何物にも代えがたい味わいとなっていくのだと、わたくしは信じております。

あなただけの特別な壁を、ご一緒にデザインしてみませんか。

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