エクステリアさくらの事務所で、皆様のささやかなお手伝いをしております、木村(仮名)でございます。
事務所の窓から見えるケヤキの葉が、ほんの少しずつ、夏の深い緑から、柔らかな黄色へと色を変え始め、秋の深まりを感じる今日この頃でございます。
わたくしは、お客様のお庭に伺わせていただく時、いつも一番に、そのお家の**「シンボルツリー」**に目が向きます。 玄関の脇で涼しげに佇む一本の木、リビングの窓の向こうで風にそよぐ一本の木…。 なぜなら、その一本の木が、ご家族の歴史を、静かに、しかし、何よりも雄弁に物語ってくれるからでございます。
どんな「物語」を、その木に託しますか?
わたくしたちのプランナー、高橋(仮名)は、お客様にシンボルツリーをおすすめする時、ただ樹種の名前を挙げるだけではございません。 「この木と、これから、どんな時間を過ごしたいですか?」 そう、お聞きするのだそうです。
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季節の移ろいを、教えてくれる木 春には可憐な花を咲かせ、夏には涼やかな木陰をつくり、秋には美しく紅葉し、そして冬には葉を落として、リビングに温かい陽だまりを届けてくれる。 そんな**「落葉樹」(ハナミズキ、アオダモ、ヤマボウシなど)**は、私たちに季節の移ろいを優しく教えてくれる、暮らしの歳時記のような存在でございますね。
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いつも変わらず、見守ってくれる木 一年を通して、青々とした美しい葉で、お家のプライバシーをそっと守り、彩りを与え続けてくれる。 そんな**「常緑樹」(ソヨゴ、シマトネリコ、オリーブなど)**は、まるで、どんな時も変わらずに、ご家族の暮らしを見守ってくれる、頼もしい番人のような存在です。
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育てる喜びを、分かち合える木 春に愛らしい花を咲かせ、初夏や秋に、美味しい実をつけてくれる。 そんな**「果樹」(ジューンベリー、レモン、ブルーベリーなど)**は、お子様とご一緒に、収穫の喜びや自然の恵みを分かち合える、豊かな先生のような存在かもしれません。
どこで「成長」を、見守りますか?
どんなに素敵な木でも、植える場所を間違えてしまっては、その魅力は半減してしまいます。 わたくしが拝見する、心に残るお庭は、決まって、シンボルツリーが最高の場所に植えられています。
それは、リビングのソファに座った時、大きな窓がまるで一枚の絵画の額縁のように、その美しい木の姿を切り取ってくれる場所。 それは、「ただいま」と玄関のドアを開けた時に、一番に「おかえり」と迎えてくれる場所。 そして、夜、ライトアップされて、昼間とは違う、幻想的な姿で、家族の語らいの時間をそっと見守ってくれる場所。
「10年後、この木がどれくらい大きくなるか」 「この土地の気候に、本当に合っているか」 そんな未来のことまで計算して、最適な場所を選ぶ。それも、わが社の職人、鈴木(仮名)たちプロの、見えない愛情なのでございます。
シンボルツリーは、ただの植木ではございません。 お子様の背の高さが、いつの間にか、幹に刻んだ印を追い越していくように。ご家族の成長と共に、静かに、しかし確かに、年輪を重ねていく、もう一人の家族です。
嬉しい時も、少しだけ悲しいことがあった時も、何も言わずに、ただそこに佇んで、ご家族のすべてを見守ってくれる、かけがえのない存在。
わたくしたちは、そんな、ご家族の長い歴史にそっと寄り添う一本を、お客様とご一緒に、大切に、大切に選ばせていただきたいと、いつも心から願っております。 あなたのお庭にも、そんな素敵な家族を、迎えてみてはいかがでしょうか。