エクステリアさくらで、お客様の暮らしをデザインさせていただいております、高橋(仮名)でございます。
しとしとと、窓を優しく打つ雨の音。 9月は、秋の長雨の季節でもございますね。 「せっかくのお休みなのに、雨でがっかり…」 そんな風に、ため息をつかれている方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし、わたくしは、雨の日の庭も、晴れ渡った日の庭とはまた違う、特別な魅力に満ちていて、とても好きなのです。 静けさと、潤いと、普段は見過ごしてしまうような、小さな発見に満ちているからでございます。
今日は、そんな雨の日を、もっと心地よく、もっと豊かに過ごすための、お庭づくりの知恵について、お話しさせてくださいませ。
その壱:雨に濡れて、輝きを増す「景色」を愉しむ。
まず、雨の日には、ぜひ、お部屋の中からゆっくりとお庭を眺めてみてください。 そこには、晴れた日には決して見ることのできない、しっとりとした美しい景色が広がっているはずです。
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植物たちの、本来の色 雨粒をまとって、キラキラと宝石のように輝く、蜘蛛の巣。 普段よりも一層、緑の色を深く、濃く見せる、木々の葉の一枚一枚。 雨に洗われて、しっとりと艶を増す、天然石のアプローチ…。 雨の日は、お庭が、普段は見せてくれない、特別な表情に出会える日でございます。
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ガラスが魅せる、光の芸術 門柱に埋め込んだガラスブロックや、窓辺に吊るしたガラスのオーナメントは、雨の日のどんよりとした光を、柔らかく、そして幻想的な光に変えてくれる、小さなプリズムです。ぼんやりと眺めているだけで、心が静かに満たされていきます。
その弐:雨の日でも「快適」を諦めない、賢いエクステリアの工夫。
とはいえ、やはり雨の日にストレスを感じるのは、「濡れてしまう」こと。 そのストレスを解消するだけで、雨の日への印象は、がらりと変わるものでございます。
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濡れない「動線」を確保する 駐車場から玄関まで、屋根のあるカーポートやアプローチポーチがあれば、小さなお子様を連れていたり、両手にたくさんの荷物を持っていたりしても、慌てる必要がございません。「濡れない」というだけで、心に生まれる余裕は、想像以上に大きいものですよ。
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洗濯物の心配から、解放される この時期、主婦の皆様の一番のお悩みは、やはりお洗濯物ではございませんか? リビングの先に、屋根と、そして風雨を防ぐ側面パネルが付いた**「テラス囲い(サンルーム)」**があれば、天気を一切気にすることなく、いつでも洗濯物を干すことができます。これは、日々の暮らしの快適さを劇的に変える、魔法の空間でございます。
その参:雨音を、心地よい「BGM」に変える、風流なしつらえ。
雨の日の主役は、なんといっても「音」でございます。 その音を、もっと心地よく、もっと美しく演出する工夫もございます。
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音色を奏でる「鎖樋(くさりどい)」 屋根から雨水を流す「雨どい」。これを、鎖状の**「鎖樋」**に変えてみるのはいかがでしょうか。鎖を伝って、ポツ、ポツ…と静かに落ちる雨粒の音は、とても風情があり、心を穏やかにしてくれます。
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プロの技が光る「水はけ」のデザイン そして、雨の日の快適さを最終的に決める、最も重要な要素が**「水はけ」**です。 わたくしどもの職人、鈴木(仮名)たちが、見た目ではわからない、ミリ単位で計算した地面の勾配によって、お庭に降った雨水は、すーっと静かに流れ去り、忌まわしい水たまりを作りません。 雨が上がった瞬間に、さっとお庭に出られる。この“当たり前”のような快適さこそ、プロの仕事の真骨頂なのでございます。
雨の日は、お庭に出られない、残念な日ではございません。 雨の日は、雨の日のためだけに用意された、特別な景色と音を、心静かに愉しむ日でございます。
そして、優れたエクステリアとは、そんな雨の日でさえも、私たちの暮らしを快適に、そして心豊かにしてくれる、賢いパートナーのような存在なのだと、わたくしは考えております。
次の雨の日には、ぜひ、窓辺に椅子を寄せて、あなたのお庭が奏でる雨の音楽に、そっと耳を澄ませてみてくださいませ。